Adobe Flash 2020年末に開発と配布を終了
31 08 2017
Adobe Flashが使われなくなる時代の流れ
Adobeが2020年末にFlash Playerの開発と配布を終了する予定であると発表致しました。
Adobe Flashの発表 [日本語版] [英語版]
Flashがあったことでアニメーションや動画・ゲームなどが可能になり、ホームページを見ている人を楽しませてくれる、そのようなクリエイティブコンテンツの向上において大きな役割を果たしていました。
しかし、AppleのiPhoneやiPadなどFlashが利用できない仕様で発売。GoogleのChromeブラウザーが、2015からFlashコンテンツをすべてデフォルトで停止しました。Flashによる動画コンテンツが配置されたページは初回訪問時に画面上部に再生機能を有効化するかどうかの選択ボタンを表示し、ユーザー自身の判断によって使用の判断ができます。
YouTubeもFlashによる動画再生でしたが、2015年からFlashを利用せず、対応する環境であれば HTML5 プレーヤーで再生されるようになりました。
クライアント側のAdobe Flash使用率も年々減少しています。
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[引用 : W3Techs(https://w3techs.com/technologies/history_overview/client_side_language/all/y)]
Adobe Flashが多く使われた時代
1994年に日本で初めてのダイヤルアップIP接続サービスが開始し、1996年ではインターネット普及率が3.3%でした。1999年にADSLが登場し普及率が21.4%、2000年で37.1%になり、その後、家庭向けの光回線が登場し急速に普及していきました。
2000年代当時のインターネット環境は、通信スピードも遅くADSLが普及し始めたところで、パソコンのスペックも低く、スマートフォンではなく、ガラケーといった時代でした。「ウェブ標準」がなく仕様がバラバラだった為にWebブラウザの互換性にも問題がありました。
Flashのプラグインを使うことにより、どのブラウザでも正しく表示され、軽量なアニメーションやゲームなどのインタラクティブなコンテンツ表現が可能になるため、多くの企業や制作会社が多く取り入れてきました。
通常のホームページでは表現できない、魅力的なコンテンツ表現できたのがFlashでした。
Adobe Flashの問題点
Adobe Flashの使用率が下がってきたのには、いくつかの理由があります。
2000年代当時と異なり、現在ではインターネットのスピードも向上、パソコンのスペックも高くなり、携帯電話もスマートフォンやタブレット端末になりました。パソコンだけでホームページを見る時代ではなく、色々な端末で見る時代になりました。
そのことによりFlashに問題が出てきました。
- 【問題点01】
-
当時ホームページを見るのはPCのみだったためFlashはPCでの表示を前提に作られていました。
そのためモバイルに対応できず、アニメーションが表現できなかったり、バッテリーの消費含め優れたパフォーマンスを発揮できませんでした。アップルからiPhoneが2008年に発売されましたが、Flashの利用ができなかったため、Flashコンテンツが見ることができませんでした。続いて発売されたAndroid端末は、Mobile向けのFlash Playerを搭載していましたのでFlashが見れるはずでしたが、正しく動作するものがあまりなく、2011年にAndroid向けモバイルFlash Playerも開発終了となりました。
- 【問題点02】
-
「Flash Playerの脆弱性」にあります。Flashはセキュリティ面で弱い部分がありました。 ウイルス感染、個人情報漏えい、遠隔操作などが多発しました。パッチなどの修正策が存在しない「ゼロデイ攻撃」などもありました。
- 【問題点03】
-
プラグイン上で動くFlashホームページでは、Flash 内で画面が変わるためURLが持てなかったり、モバイルに互換性がないためSEOに弱くなってしまう。
- 【問題点04】
-
パソコンにFlash Playerがインストールされていないと、Flashを使用したコンテンツが見ることができない。
以上のような理由によりFlashコンテンツは使用されなくなっていきました。
これからのホームページでの表現
YouTubeも2015 年 からユーザーが特に変更を加えなくても、HTML5に対応する環境であれば HTML5 プレーヤーで再生されるようになりました。
これにより、Flash PlayerをサポートしないiPhoneなどの端末でも動画を再生できるようになりました。
HTML5、WebGL、WebAssemblyなどが成熟しFlashが先駆けて導入してきた機能やコンテンツに代わる実行が、標準技術で実現できるようになってきました。そうした流れから、2020年末にFlash Playerの開発と配布を終了を決定したのです。
各ブラウザのFlash終了までの流れ
- ● Google(Chrome)
- ・今後数年間でFlashサポートを終了へ。
- ・まずは、Flashの実行にユーザーの確認が必要になる状況を今よりも増やす。
- ・その後、デフォルトでFlashを無効化。
- ・ 2020年末に向けてChromeにおけるFlashのサポートを終了へ。
- ● Microsoft(IE/Edge)
- ・EdgeではすでにFlashの実行にはユーザーの能動的クリックが必要になっている。
- ・2017年末~2018年にかけ、EdgeではサイトごとにFlash有効化状況をブラウザが記憶するように(IEは現状のママ)。
- ・2018年後半には、Edgeでは訪問ごとにFlashの実行にユーザーの許諾が必要に(IEは現状のママ)。
- ・2019年後半には、EdgeとIEの両方で、Flashがデフォルトで無効に(ただしユーザーが任意で有効化は可能)。
- ・2020年末までには、全Windows上のEdgeとIEの両方で、Flashを実行できないようにする。
- ● Mozilla(Firefox)
- ・ 2017年8月より、サイトごとにFlashプラグインを実行していいかユーザーが選択するように。
- ・ 2019年には、ほとんどのユーザーでFlashがデフォルトで無効化。
- ・ Firefox延長サポート版(ESR)ユーザーは、2020年末までFlash利用可能予定。
- ・ただしアドビによるセキュリティサポート終了後は、すべてのFirefoxでFlashは利用不可に。
[ 引用 : WEB担当form(http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/08/01/26469)]
HTML5、WebGL、WebAssemblyを使っていくことが次の時代の流れになります。
- HTML5とは
-
ウェブページを作成するに使われるHTMLのバージョン5になります。HTML4.01からバージョンアップされたHTML5は、シンプルでより明確にマークアップすることができます。
新しく追加された要素の中では、動画再生タグ<video>、音声再生タグ<audio>、図形を描くタグ<canvas>などがあり表現できることが多くなりました。 - WebGLとは
-
WebGL (Web Graphics Library) は、互換性があるウェブブラウザーでプラグインを使用せずにインタラクティブな 3D グラフィックスや 2D グラフィックスをレンダリングするための JavaScript API です。
【WebGLで3Dを使用したサイト】
- ・Nine Point Five(http://www.ninepointfive.org/)
1977年から2010年までの世界で起きた地震を一目で理解出来るサイト - ・Shapespark(https://www.shapespark.com/)
「DEMO」ボタンをクリックすると見ることができます。
家やマンションを仮想でツアーができるサービス - ・MOZVR(https://mozvr.com/#showcase)
ブラウザのFirefoxなどで有名なmozillaのVRサイト
- ・Nine Point Five(http://www.ninepointfive.org/)
- WebAssemblyとは
-
ウェブブラウザーで実行できる新しいタイプのコードで、より高速でJavaScriptでできない機能を実現でき、C/C++ のような言語のコンパイルを対象にできています。WebAssemblyで複数の言語で記述されたコードをウェブ上でネイティブに近いスピードで実行する事が可能になります。
使用例では、ゲームやアプリケーション、科学データや医療データの可視化、CADなどに利用できるそうです。
最後に
パソコンよりもモバイル端末でホームページを見る機会が多くなり、Webの技術は日々進化しています。
googleではモバイル端末に対応していないホームページだと、SEOの評価も下がってしまいます。
これ機会にホームページのリニューアルを検討してみてはいかがでしょうか。
googleでモバイルフレンドリーにホームページが対応しているか確認もできますのでお試しください。
https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/?hl=ja
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