Apr.08.2022
/ 一生モノ
気球に乗って空から絶景を眺める 石灰岩が作り出したカッパドキアの大地

旅先ので感動は本当は個人的なものでしょうが、誰が見ても感動できる素晴らしい風景もあります。それが「絶景」でしょう。今回はトルコ中部の“絶景”カッパドキアを、気球に乗って空から見る旅を紹介します。地上から見ても素晴らしいですが、空から眺めるのはまた格別なもの。その風景は、まさに“一生モノ”といっていいでしょう。
奇岩が続く絶景、トルコのカッパドキア
トルコの大半を占めるアナトリア半島。そのほぼ中央にあるカッパドキア地方は、さまざまなタイプの奇岩が見られる絶景で有名です。この地方では火山の噴火による火山灰や溶岩が堆積して、石灰岩の台地が生まれました。それが長い年月をかけて雨や風の侵食を受け、キノコ岩のような奇岩などの不思議な景観を生み出したのです。
このカッパドキア滞在のハイライトのひとつが、「気球に乗りカッパドキアを空から見る」というバルーンツアーです。飛ぶのは1日1回、気流が安定している早朝のみですが、天候が悪くなければ基本的に毎日催行しています。

早朝、バルーンツアーに出発
朝と言ってもまだ暗い5時ごろ、ホテルにバルーン会社の車がピックアップにやってきます。朝食付きの場合は途中で朝食ビュッフェをとった後、気球に乗る場所へと向かいます。空ではトイレには行けないので、その時に済ませておきましょう。
広場ではすでにいくつもの気球が用意されていました。周囲が少し明るくなり、係員が気球を膨らませ始めます。気球が立ち上がり真っ直ぐなったところで、乗客がカゴに乗り込みました。カゴの定員は15〜20人。乗客全員が乗り込むと綱が外され、気球はふわりと宙に浮きました。周りでもいくつもの気球が、同じように昇っていくのが見えます。さらに上昇するためにガスバーナーが何度か点火され、気球は周囲の奇岩よりも高く高度を上げていきました。この頃になると空はかなり明るくなり、日の出が近いことがわかりました。

カッパドキアの夜明けを気球から見る
気球はただ上に昇るだけでなく、風で少し横に流されてもいます。なので早く上昇しないと岩や崖にぶつかりそうでハラハラします。ただしそう思っているのは乗客だけで、操縦士は絶妙のコントロールで飛ばしているのでしょう。
気球が飛び立ち20分ほどたったころ、雲の切れ間に太陽が顔を出しました。カッパドキアの夜明けです。他の気球がシルエットになって見えます。明るくなり遠くまで見渡せるようになると、気球の数の多いことにビックリしました。ここで以前に気球に乗ったのは、かれこれ17、18年前。そのころに比べ10倍近く増えているような気がしました(現在は一度に100台までに制限)。

カッパドキアの大地が眼下に広がる
高度を上げていくと、丘上だと思っていた場所は実は地面の高さで、実は気球は谷間の下から昇ってきたことに気づきました。大地には畑や果樹園が広がり自動車道が走っています。そこをサポートの車が追跡してくるのが見えました。気球はさらに上昇し、少し怖いぐらいの高さです。遠くの崖の赤い岩肌もよく見えます。やがて時間になり、気球はするすると下降していきました。サポートの車が気球に近づいてくるのが下に見えます。空き地に気球が着陸すると、車から出てきたスタッフがそれを固定しました。実際に空中に上がっていたのは1時間ぐらいでした。
気球をスタッフがたたむ間、乗客たちはテーブルに用意されたシャンパン(ジュースもあり)で、ツアーの成功を祝って祝杯をあげました。これでツアーは終了です。天国から戻ってきたような、まるで夢うつつの気分から覚めたような気分でした。
気球に乗るという体験、日本でもできますが、なかなか難しいものですよね。海外で、しかも一生に一度になるかもと思えばこそ、参加してみたいのでしょう。きっと眼下に広がるカッパドキアの絶景は忘れられない体験になるはずです。実は私はカッパドキアのバルーンツアーには3回参加しています。料金は安くはないですが、それだけの価値はある体験だからです。機会があったら、そんな“一生モノの旅”にぜひチャレンジしてみてください。
[DATA]
カッパドキア気球ツアー
ツアー会社は20社以上あるが、宿泊ホテルで申し込むのが一般的。内容は各社似たようなもの。飛ぶかどうかは当日の天候に左右される。
時間:5:00〜9:00(ホテルでのピックアップから戻ってくるまで)
料金:130〜180ユーロ(会社のHPで申し込むより、宿泊ホテルで申し込む方が安い場合がある)