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ブランドパーソナリティーとは?Webブランディング成功の鍵

2023.12.01

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ブランドパーソナリティーとは?Webブランディング成功の鍵

今回は、「ブランドパーソナリティ」という重要な概念に焦点を当て、その定義、必要性、効果、そして構築方法について深く掘り下げていきます。Webブランディングを行う上でとても重要な項目となりますので、ぜひこの機会に、自社のブランドパーナリティについて考えてみてください。

ブランドパーソナリティーとは?

「ブランドパーソナリティー」とは、ブランドが持つ人間的な特性や資質を指します。これは、ブランドが顧客にどのように知覚され、理解されるかに影響を与える要素です。ブランドパーソナリティーは、企業や製品の特性を超えて、消費者との感情的なつながりを作り出すのに役立ちます。

デビッド・アーカー(David Aaker)は、アメリカの経済学者、マーケティング理論家、コンサルタントで、ブランド・アイデンティティの概念の提唱者として知られ、日本で紹介されている著書には、『ブランド・エクイティ戦略』、『ブランド優位の戦略』、『ブランド・リーダーシップ』、『シナジー・マーケティング』(以上、ダイヤモンド社)、『戦略立案ハンドブック』(東洋経済新報社)などがあります。

そのデビッド・アーカーは、ブランドパーソナリティを「ブランドが持つ一連の人間的特性」と定義しています。

ブランドパーソナリティには5つの構成要素があり、これらの要素を満たすことで、顧客にたいして効果的にブランドを印象付けることができます。

1. 信憑性(Authenticity)
企業文化と企業の態度が生み出す、信頼に値するイメージを反映しています。誠実、温かみ、親しみやすさなどです。

2.記憶性 (Memorability)
記憶に残りやすく、忘れられにくいイメージを持つことが重要です。この特性により、ブランドは消費者の心に長く留まることができます。

3.価値 (Value)
顧客にとって明確な価値を持ち、それを印象付けるイメージを持つことが求められます。この要素は、顧客がブランドを選ぶ際の決定的な要因となります。

4.信頼性 (Trustability)
他のブランドと比較して、顕著な価値を持ち、イメージ通りの品質やサービスを提供することが重要です。これにより、顧客の信頼を得て長期的な関係を築くことができます。

5.説得力 (Authority)
ブランドが持つ価値を強く訴えかける力を持つこと。この特性により、ブランドはその分野でのリーダーシップや専門性を確立し、消費者を引きつけることができます。

これらの要素は、ブランドが特定のターゲット市場にどのようにアピールするかを決定するのに役立ちます。

ブランドパーソナリティーは、消費者がブランドとの関係を築く際の感情的な枠組みを提供します。消費者はしばしば、自分のアイデンティティや価値観と調和するブランドに惹かれます。そのため、ブランドパーソナリティーを効果的に構築することは、顧客のロイヤルティを高め、ブランドへの熱烈ファンを生み出す鍵となります。

ブランドパーソナリティーが必要な理由

ブランドパーソナリティーが必要な理由

デジタル時代において、消費者は情報過多の状況にあります。数多くのブランドが競合している中で、ブランドパーソナリティーは企業を際立たせ、顧客のブランドへの信頼を高めることができます。人間的な特性を持つことで、ブランドは消費者との共感を生み出し、深い信頼関係を築くことができます。

消費者との感情的な結びつきの構築

ブランドパーソナリティーは、消費者とブランドとの間の感情的なつながりを促進します。人々は、単なる製品やサービスではなく、感情や価値観を共有できるブランドに惹かれます。この感情的なつながりは、顧客の忠誠心とブランドに対する信頼を深め、長期的な関係を築く基盤となります。

ブランドロイヤルティの促進

強いブランドパーソナリティーは、顧客のロイヤルティを高めます。顧客がブランドの特性に共感し、それに個人的な価値を見出すと、そのブランドを継続的に支持する傾向が強まります。
ブランドロイヤルティが高い顧客は、リピート購入だけでなく、口コミによる新規顧客の獲得にも貢献します。

市場のポジショニング

ブランドパーソナリティーは、特定の市場セグメントやターゲットオーディエンスにブランドを位置づけるのに役立ちます。消費者は、自分のアイデンティティやライフスタイルに合ったブランドに自然と惹かれます。
例を挙げると、若者向けのブランドは「エキサイティング」や「モダン」といった特性を前面に出すことで、そのセグメントにアピールします。

コミュニケーション戦略の指針

明確なブランドパーソナリティーは、マーケティングや広告のメッセージングに一貫性を持たせるのに役立ちます。ブランドの性格に合わせたコミュニケーションは、消費者にとって説得力があり、記憶に残りやすいです。
例えば、冒険的なブランドパーソナリティーを持つブランドは、エネルギッシュで刺激的な広告を展開することが期待されます。

ブランドパーソナリティーの存在は、単にブランドが市場で生き残るためではなく、消費者の心に深く根を下ろし、長期的な成功を築くために不可欠です。それは、ブランドが顧客との関係を深め、市場で独自の位置を確立する手段となります。

ブランドパーソナリティーの作り方(フレームワーク)

ブランドパーソナリティーを構築する際には、特定のフレームワークやアプローチを用いることが効果的です。ここでは、Jennifer AakerのディメンションフレームワークとCarl Gustav Jungのアーキタイプフレームワークを中心に説明します。

1. Jennifer Aakerのディメンションフレームワーク

Jennifer Aakerのディメンションフレームワークは、ブランドパーソナリティーを形成する際に広く利用されています。このフレームワークは、ブランドパーソナリティーを以下の5つに分類し、今の自分のブランドがどの属性に該当するのか考える方法です。

誠実性 (Sincerity)
下地、誠実、正直といった特性を表します。親しみやすく、地に足がついたブランドに適しています。

刺激 (Excitement)
斬新、元気、冒険的な特性を含みます。革新的でユニークな体験を提供するブランドに最適です。

能力 (Competence)
信頼性、知識、効率性を強調します。専門知識や信頼できる品質を提供するブランドに適しています。

洗練 (Sophistication)
上品、洗練された特性を持ちます。高級感やエレガントさを重視するブランド向けです。

頑強さ (Ruggedness)
堅牢、アウトドア、粗野な特性を示します。冒険心を刺激し、耐久性を重視するブランドに適しています。

2. Carl Gustav Jungのアーキタイプフレームワーク

Carl Gustav Jungのアーキタイプフレームワークは、より深い心理学的アプローチを取り入れたもので、ブランドパーソナリティーの開発に幅広いアーキタイプ(原型)を提供します。いくつかの代表的なアーキタイプは以下の通りです

英雄 (Hero)
強さ、勇気、成果を象徴します。挑戦を乗り越えることを重視するブランドに合致します。

賢者 (Sage)
知識、知恵、洞察を表します。教育的な価値や深い知識を提供するブランド向けです。

探検家 (Explorer)
自由、探究、発見を重視します。新しい体験や自己発見を促すブランドに適しています。

支配者 (Ruler)
コントロール、権力、安定を象徴します。高品質やリーダーシップを強調するブランドに合います。

魔法使い (Magician)
変化、夢、魔法を表します。革新的で夢を叶える製品やサービスを提供するブランドに適しています。

クリエイター (Creator)
革新性、創造性、表現力を象徴します。オリジナリティと新しいアイデアを重視し、常に何か新しいものを創造しようとするブランドに適しています。

ブランドパーソナリティー構築のステップ

Step.01 ブランドのコア価値とミッションの理解

はじめに、ブランドの基本的な信条や価値観を特定します。これには、ブランドが代表するものや、目指している目標、企業の文化や倫理が含まれます。

次に、ブランドのミッションステートメントの分析をします。ブランドメッセージやブランドプロミスを理解します。これは、ブランドパーソナリティーの方向性を決定する際の基盤となります。

Step.02 ターゲットオーディエンスの特定

ターゲットオーディエンスの年齢、性別、ライフスタイル、購買行動など顧客の特性を理解します。

次に、ターゲットオーディエンスが何を求めているのか、どのような価値観に共感するのかを調査します。これにより、ブランドがどのように顧客と共鳴できるかを明確にします。

Step.03 フレームワークの選択と適用

ブランドのアイデンティティとターゲットオーディエンスの特性に基づいて、適切なフレームワーク(例:Jennifer Aakerのディメンションフレームワーク、Carl Gustav Jungのアーキタイプフレームワーク)を選択します。

フレームワークから、ブランドに適した特性を選択し、これらを組み合わせて独自のブランドパーソナリティーを構築します。

ブランドパーソナリティーの構築は、ブランドの核となる価値観とターゲットオーディエンスの期待を結びつけ、長期にわたる顧客との関係構築のための戦略的なプロセスです。

わたしたちfeelbeeのブランドパーソナリティをご紹介

最後に、私たちfeelbeeのブランドパーソナリティをご紹介します。

まずはじめに、わたしたちのブランドメッセージは、
クライアントの成長を本人より喜ぶ、何でも相談できる信頼のデザインパートナー
です。

この、ブランドメッセージを設定する過程で、今回ご紹介したブランドパーソナリティを検討しました。Jennifer Aakerのディメンションフレームワークでは、「誠実性 (Sincerity)」であり、Carl Gustav Jungのアーキタイプフレームワークでは、「クリエイター (Creator)」となります。

そしてわたしたちは、ブランドパーソナリティも言語化しています。

情熱的な伴走者

【特徴】クライアントのビジョンを具現化し、その目標を達成するために一心不乱に情熱を注ぐ。
【キーワード】情熱的、創造的、具現化
クライアントの目標を自身の目標と捉え、それを実現するためのデザインと戦略を紡ぎ出す。

まとめ

Webブランディングにおいて、ブランドパーソナリティーは非常に重要な役割を果たします。企業は、この概念を理解し、正しく、ブランドパーソナリティを構築することで、オンラインでの成功を大きく高めることができます。

皆さんもこちらのコラムを参考に、ご自身のブランドのブランドパーソナリティーを検討してみてはいかがでしょうか。

Fumiaki Tanabe

CEO

企業の価値を最大化する戦略に特化したブランディングとマーケティングのエキスパート。インフラ関連企業や大手製造メーカーから中小企業に至るまで、幅広い業界でのWebブランディング実績をもつ。

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