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サステナビリティ
サステナビリティとは(再生プラスチック・煙のない社会)
2025.04.18
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サステナビリティキーワード解説:再生プラスチック

人間が、レジ袋を飲み込んだウミガメのようにならないように、プラスチックの未来を考える
スーパーやコンビニで買い物をしたときに、プラスチック製買い物袋にお金を払うようになったのが、2020年7月1日から。有料化になってそろそろ5年になりますが、当初の目標であった「プラスチックの過剰な使用を抑制し、プラスチックによる環境問題を改善する」ことに対する報告・レポートを見たことがありません。また、レジ袋に払ったお金がどこに使われているのかも分かりません。
「プラスチックによる環境問題」というと誰もが思い浮かべるのが、海洋ゴミでしょう。環境レポートによると、世界中で年間800万トンの海洋ゴミが発生していて、いずれ世界中の海洋ゴミの総量が、海中にいるすべての魚の重量を上回るという予測も出ています。また、海洋ゴミの約8割を締めているのが、街で発生するペットボトルやレジ袋のゴミです。
海洋ゴミの約7割以上を占めるプラスチックゴミは、街から海に流れ込み、海洋を漂ったり、海底に沈み込んだり、海岸に打ち寄せますが、腐ることがありません。クラゲを食べるウミガメなどはレジ袋をクラゲと勘違いして飲み込んでしまって、最悪の場合、餓死することもあるそうです。ウミガメ以外にも、毎年10万匹以上の海に生きる哺乳類がプラスチックを誤って食べたり、海洋ゴミに絡まって命を落としています。
そういう悲劇を起こさないために世界中で問題となっているプラスチックですが、一度使用して廃棄されたプラスチックを再利用して作られた「再生プラスチック」や、植物などの再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックと微生物などの働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解する生分解性プラスチックの総称である「バイオプラスチック」の開発が盛んに行われています。
再生プラスチックの身近な例では、ビーチや海沿いの地域から出るプラスチックゴミを回収してリサイクルしたプラスチックの糸を部分的に使用したスニーカーや、ペットボトルや衣料、繊維くずなどのプラスチックをリサイクル・加工し、繊維として再生した生地を使った洋服など、すでに多くの製品に触れることもできますが、製造プロセスが増えることから、得てして高価な製品になってしまうのも事実です。
2022年4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行されました。深刻化する海洋プラスチックゴミ問題や気候変動問題などへの対応を目的に、プラスチック製品の設計から販売、廃棄物処理という全体の流れのなかで、“3R+Renewable=Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRに、Renewable(リニューアブル)を加えた総称”を推し進め、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を促すものです。 同法律は、プラスチックを扱う各自治体や事業者が対象になっていますが、ソニーは「環境負荷ゼロ」実現のために再生プラスチックの利用拡大に取り組み、難燃性再生プラスチック“SORPLAS(ソープラス)”を開発。また、三菱電機は使用済み家電製品の破砕処理により発生する混合プラスチック(破砕片)から、高純度な単一プラスチックを回収し、新たに製造する家電製品に再利用する「プラスチックの自己循環リサイクル」に挑戦するなど、循環型社会の実現に積極的に取り組んでいます。
サステナビリティキーワード解説:煙のない社会

フィリップモリスジャパンが目指す、「紙巻たばこの終焉こそ、我が社のサステナビリティ戦略」
「煙のない社会」と聞くと、化学燃料の燃焼のない世界のような印象を受けますが、これは、日本市場で30年以上の歴史を持つ国内最大の外資系たばこ会社、フィリップモリスジャパン(PMJ)が企業ビジョンとして掲げるもので、紙巻たばこの「煙のない社会」を指します。
令和2年度の「消防白書」によると、年間の火災3万7000件あまりの原因の1位がたばこで、たばこの火の不始末により大切な財産が奪われています。また、たばこによる健康被害、咽頭がん、肺がん、脳卒中・心筋梗塞などに罹患する危険性が高いことはご存知の通り。
PMJが、2014年に加熱式たばこIQOS(アイコス)を発売し、翌年9月から日本で加熱式たばこが普及し始めましたが、アメリカがん学会の報告によると、PMJがIQOSの発売を始めて以降、紙巻たばこの販売量が大幅に減少したことがわかっており、これは世界から注目される事象になっています。
燃焼を伴う紙巻たばこから、火を使わず、全く煙を出さない加熱式たばこへの切り替えを促進するために、PMJは2020年を「サステナビリティ元年」と位置づけ、サステナビリティ領域のグローバルリーダーが集うコミュニティイベント「サステナブル・ブランド国際会議2021 横浜」にて、将来的には紙巻たばこ事業からの撤退を目指すと公言しています。
PMJが提言する「煙のない社会」には、ウェンディーズ・ファーストキッチンが賛同し、2022年7月1日から、東京や大阪の一部の店舗に加熱式たばこについて発信するスペースを設置。まず5店舗で開始し全国46店舗まで拡大する予定です。 「加熱式たばこ専用スペース」を設ける会社や公共施設などもじわりと増えてきていますが、PMJが目指す、紙巻たばこ全てを「煙の出ない製品」への切り替えは、業界の変革と同時に、生活環境の向上にも繋がるはずです。