Branding Blog

ブランディング

「カラーブランディング」で企業イメージを高める

2019.03.20

企業のブランディングにおいて、会社や商品のイメージを象徴する「色」というのは、とても重要な役割を果たしています。色によってブランド認知力が80%アップするという調査結果があることからも、色が企業イメージに及ぼす影響の大きさが分かります。

この記事では、基本的な配色の知識のおさらいと、それぞれの色が見る人に与える視覚効果や心理的な影響をご紹介します。

配色の基本「色の3属性」とは?

まず、色には大きく分けて2つ種類があります。有彩色と無彩色(白・黒・灰色)です。有彩色は色の三属性(色相・明度・彩度)を使った表現が可能ですが、無彩色には色相・彩度はなく、明度のみで表現します。

色相

色相とは、赤や黄色などの「色合い(色味)や色調」を表す属性です。色相環とは、色相全体を順序立てて円環にして並べたものです。
色相環で隣り合う色のことを類似色といい、反対側の色同士が補色の関係となります。

類似色・・・色相環で隣に接している色同士のことです。配色の際に類似色の関係にある色を組み合わせると、色の調和がとれて全体に統一感が生まれやすいです。

補色・・・色相環で反対側にある色同士のことです。色相の差が大きいため、インパクトが強く、目立つ配色といわれています。

彩度

彩度とは、色の「鮮やかさ」を表す属性です。
同じ色でも、彩度が高い色ほど鮮やかに見え、低い色ほどグレーに近くなります。彩度がゼロの場合、色味がないので無彩色(黒や白、グレー)になります。

明度

明度とは、色の「明るさ」を表す属性です。色相や彩度が同じであっても、明度が低いほど黒っぽく、高いほど白く明るい色になります。

色が読み手に与える色彩心理

色には、見る人に与える様々な視覚効果があります。
サービスの内容やターゲットとなるユーザーのペルソナ像に合わせてコーポレートカラーを決めることで、高級感や親しみやすさなどのブランドイメージを明確に出来るでしょう。

それぞれの色が持つ心理的な効果を知ることで、目的や手段に合った色の選択が可能になります。

以下では、企業のブランドイメージを形成するCIの中でも、特に重要な役割を持つロゴの配色を事例として紹介し、企業イメージに合わせた効果的なカラースキームを提案します。

CI・・・コーポレートアイデンティティの略称で、グラフィカルなロゴやシンボルマークを使って企業コンセプトと経営理念を明確化し、会社に対する社員の認識と社外の人間が会社に対して持っている認識を一致させるもののことを指します。

赤色が与える印象

赤は、エネルギッシュ、情熱、興奮などのイメージを想起させる色です。
食欲を増進させる色ともいわれており、飲食系の企業で多く採用されています。

青色が与える印象

青は、知性や冷静、落ち着きなどを感じさせる色です。
誠実さや信頼感といった印象を与えるられるため、飲料系の企業をはじめ多くの企業がコーポレートカラーとして取り入れています。

黄色が与える印象

黄色は、暖かさ、陽気、元気など明るくポジティブな印象を持つ色です。
明るく、希望のあるイメージがあるため、元気で活発なイメージを与えたい場合によく使われます。

緑色が与える印象

緑は、自然の色を連想しやすく、安心感、リラックス、安全、新鮮さなど柔らかな印象を与えられる色です。
衛生的で安心感のあるイメージから、飲食店などを中心に様々な企業が取り入れています。

オレンジ色が与える印象

オレンジ色は、赤と黄色の中間色で、黄色よりもより温かみのある陽気なイメージを与える万人受けする色です。ビタミンカラーとも呼ばれます。
エンタメ系の企業など、人とのコミュニケーションを重視したサービスを扱う企業が取り入れることが多い色です。

ピンク色が与える印象

ピンクは、可愛い、愛、優しいなどフェミニンな印象を与えやすい色です。
女性的なイメージがある色のため、女性向けの商品やサービスを扱う企業が多く取り入れています。

紫色が与える印象

紫は、上品さや優雅さ、癒しなどのイメージを感じさせる色です。
神秘的で高貴なイメージもある色なので、芸術的なジャンルのサービスを提供する企業や化粧品メーカーなどが採用しています。

黒色が与える印象

黒は、強さや威厳、重厚さ、落ち着いたイメージや高級感を演出することが出来る色です。
落ち着きや高級感を感じさせる色なので、多くのアパレルブランドが採用しています。

グレーが与える印象

グレーは、上品で落ち着いたイメージがある色です。
上品で落ち着いた印象のある色があるため、洗練されたイメージを与えられます。

最後に

今回の記事では、押さえておくと役に立つ基本的な配色の知識と、ロゴデザインを事例とした効果的なカラースキームを紹介しました。

ブランディングにおいて適切な色設計をすることは、企業と消費者との関係性を確立し、サービスに対する購買意欲を誘うだけでなく、社員のミッションを明確にすることにも繋がります。消費者の求めるニーズと、取り扱うサービスに応じて最適な色設計を行うことでブランドイメージの構築に役立てて頂けましたら幸いです。

Fumiaki Tanabe

CEO

企業の価値を最大化する戦略に特化したブランディングとマーケティングのエキスパート。インフラ関連企業や大手製造メーカーから中小企業に至るまで、幅広い業界でのWebブランディング実績をもつ。

menu

5+1 Design.