Branding Blog
ブランディング
会社のホームページをブランディングする手順
2019.07.08
ブランド論の第一人者、ケビン・レーン・ケラーによると、ブランディングとは、「ブランディングは精神的な構造を創り出すこと、消費者が意思決定を単純化できるように、製品・サービスについての知識を整理すること」です。
ブランディングは、企業と顧客の双方が一緒に作り上げものです。企業側は、戦略やビジョンからブランドを通して何を約束するかを明確にします。また、顧客がブランドに対する期待を理解し、応えることが必要となります。企業と顧客との間に生まれる長期的な信頼関係こそがブランディングの目指すものです。
特に今の時代は、ビジネスを考える上でブランディングという要素を無視することは出来ません。それは現代が、あらゆる業種において、価格・品質・機能など差別化が難しい商品・サービスが溢れている、選択肢過剰の時代となっているためです。例えば、外食店を一つ選ぶにしても、ネットで検索すれば、無数の選択肢が出てきます。その無数の選択肢からユーザーに選択してもらうために必要なのが、ブランディングです。
ブランディングの種類
アウターブランディング
アウターブランディングとは、消費者や顧客、株主などの「社外」に向けて行うブランディングです。自社の強みや理念を発信し、ブランドに対する愛着や好感を高めることで集客力を強化することを目的とします。
統一感のある特徴的なデザイン、価格面の差別化、印象的なキャッチコピーなどによって特徴のあるブランドとしての認知が高まります。
アウターブランディングの効果
○競合からの差異化
ブランドネームやロゴ・デザインなどで、競合他社とは区別されて認識される。
○選択意思決定の単純化・固定化
顧客の知識が整理されることで再び同じ物を選ぶようになる。
○ユーザーのロイヤル化
親しみや信頼が増大されることでブランド・ロイヤルティが形成される。
○価格競争の回避
『顧客にとっての価値』が訴求され、提供品質を無視した価格競争に参加する必要が無くなる。
○価格プレミアムの獲得
同じ品質・スペックの商品について、競合よりも高い価格で販売が可能になる。
○プロモーションコストの削減
以上のことから販売促進の必要度を低下させることが可能になる。
消費者や顧客に対するブランディングであるため、収益に直結するというのがポイントです。成功すれば効果が表れるのは早いですが、失敗すると顧客が離れてしまう可能性もあるので、製品やサービスの特徴などをよく分析した上で慎重にブランディングをする必要があります。
インナーブランディング
インナーブランディングとは、「社員(社内)に向けたブランディング」を指します。インナーブランディングは、主に企業理念やビジョン、ブランドコンセプトなどの概念を社員に向けて浸透させます。
ブランディングとは、商品やサービスだけで完結するものではありません。当然、社員の業務一つ一つも商品やサービス同様に、ブランディングが必要な要素です。近年では、インナーブランディングを重要視する企業が増えています。
インナーブランディングの効果
○社員の仕事への満足度とモチベーションが向上する
○社員の顧客志向が向上し、ひいては顧客満足度も向上する
○愛社精神が増すことで離職率が低減する
○業務の効率と質の改善につながる
社員としての意識を高めることで、仕事の品質向上にもつながるのはもちろんのこと、優秀な人材の確保につながります。
採用ブランディング
採用ブランディングとは、採用活動を行う際に自分の会社をブランド化する方法です。優秀な人材を惹きつけるために、会社を魅力的なイメージにブランディングすることを目的とします。
転職サイト内の求人広告、自社採用サイトやオウンドメディア、SNS、セミナー・勉強会などのリアルイベントの開催を通して自社の理念や強みを発信することで共感する人材とのマッチングを図ります。
採用ブランディングの効果
○応募者数が増加する
○モチベーションの高い人材を集めることができる
○ミスマッチを防ぐことができる
○採用コストを抑えることができる
重要なポイントは一貫した自社の理念やストロングポイントを発信することです。メッセージがブレてしまうと求職者からの共感が得られず、成果につながりにくくなってしまいます。
ウェブブランディングとは(会社のホームページをブランディングする)
ブランディングでは、3つの項目を実現することを目標とします。
○ブランドの認知向上
○ブランドイメージの向上
○企業イメージ向上
以下では、ウェブブランディングを行うための方法とメリットをご紹介します。ご紹介するコンテンツマーケティングなどは、本来はマーケティングの手法ではありますが、有益な情報を発信することでユーザーとのタッチポイントを増やし、ブランドに対するイメージを高めるという点でブランディングにもつながります。
ホームページのリニューアル
ホームページのデザインは、会社のイメージに大きな影響を与えます。WEBデザインのトレンドは日々変化しているので、前回のリニューアルから3〜5年程度経過している場合は、競合他社のホームページと比較してトレンドから外れた印象のサイトになってしまっているかもしれません。リニューアルを機に製品やサービスの特徴を分析し、競合との差別化を図ることがブランディングになります。
会社のホームページをリニューアル時の3つのポイント(リニューアル担当者必見)
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ホームページにユーザーにとって有益な情報や知識などのコンテンツを増やす集客のことです。そうすることで、Google側に良質なサイトと評価され、検索結果の上位に上がりやすくなり、ユーザーの目に留まりやすくなります。
様々なキーワードで検索した際に上位表示されれば、それだけ多くのユーザーの目につき、興味を持ってもらえるので、集客につながります。さらに、ホームページを見たユーザーが「この会社は知識が豊富で信頼できそうだから、利用しよう」と思えば、ブランディングにもつながります。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSで公式アカウントを作成して情報発信したり、ユーザーと交流をするマーケティング手法です。
例えば、Instagramなどで新商品やサービスを紹介するとき、いつもおしゃれな印象の写真を掲載すれば「最新の流行に敏感な洗練された会社」というイメージが根付くかもしれません。このようにSNSを活用してユーザーの企業に対するイメージを構築していくこともブランディングの一環となります。
ウェブブランディングを行うメリット
○優位性が高まる
例えばアパレル会社であれば、品質の良さが認知され、「服は◯◯」というようにイメージ付けがされれば、競合他社が多くてもその中から選んでもらえるようになります。
○リピーターが増える
商品やサービスが顧客から長期的な信頼を得てファンになってもらえば、「この製品を買うときはこの会社の製品」というようにいつも購入してくれるリピーターになってもらうことができます。
○口コミで良い評判が広がる
良いサービスや商品を販売している会社という評判がつけば、ファンとなってくれたユーザーがサービスの良さを口コミで広めてくれる可能性もあります。
ウェブブランディング手順
○環境分析
まずブランディングで最も重要なことは、自社の商品やサービスが市場において競合他社と比較した時にどういう位置付けにあるか知ることです。
そのためには、SWOT分析を行い自社製品・サービスの強みと弱み、市場や競合など外的な環境を把握しましょう。
また、3C分析(市場・競合・自社)のフレームワークを使い、顧客からのニーズ、競合、自社の強みや課題などを総合的に分析して、どのように競合との差別化を図るかを戦略的に考えましょう。
○UX「ユーザー エクスペリエンス」を考えるカスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーとは、「顧客が購入に至るプロセス」のことを指します。
また、ユーザーがどのようなプロセスで商品やブランドと接点を持ち、購入意欲を喚起されて購買やサービスの利用などに至るのかというフローを旅に例え、ユーザーの行動や心理を時系列にまとめたものを「カスタマージャーニーマップ」と言います。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの購買行動の流れに沿って、「行動」、「思考」、「感情」を分かりやすく可視化したものです。マップ化することでユーザーの行動の全体像を把握できます。
ブランディングの評価方法
○新規接触率
新規接触率は、メディアを通して新たにブランドを知った認知率を指します。新規接触率が高いメディアに継続的に広告を発信することで、ブランドの認知率のアップにつながります。まずユーザーにブランドを認知してもらうことは、ブランディング成功のための第一歩です。
新規接触率をブランディングの指標にすることで、ユーザーに真っ先に想起されるブランドに近づくことができるようになるでしょう。
○DWB(Definitel Would Buy)
DWBは、購入前のターゲットに対して、購入意欲の度合いを「とても買ってみたい」「買ってみたい」「どちらでもない」「あまり買いたくない」「買いたくない」の5段階で評価してもらい、最高評価の割合をブランディングの指標にします。この指標でブランディングを評価することにより、ブランドに愛着を持っているユーザーを把握することができます。
○NPS(Net Promoter Score)
NPSとは、ブランドの顧客ロイヤルティを数値化して把握するためのシンプルな指標です。ユーザーに対してブランドの製品やサービスを親しい友人や同僚に薦める可能性を10点満点で評価をしてもらいます。その中で0〜6点を付けた人を「批判者」、7・8点を付けた人を「中立者」、9・10点を付けた人を「推奨者」と分類し、批判者の割合と推奨者の割合を引いた値がスコアとなります。そのスコアの値により顧客ロイヤリティを可視化することが出来ます。
まとめ
ホームページは、ただ見た目だけを綺麗に整えれば良いというものではありません。自社製品やサービスの魅力を十分に伝えられるよう、市場や競合他社などの外的環境を分析した上で、ユーザーの印象に残りやすいホームページになるようブランディングしていくことが大切です。
当社では、お客様がホームページを新規作成・リニューアルされる際に特にブランディングの視点に力を入れて企画を行い、デザイン・開発・保守管理・マーケティングまでワンストップのサービスを提供しております。ホームページのブランディングをお考えの際はお問い合わせ下さい。