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サステナビリティ

サステナビリティとは(グリーンウォッシュ・コーポレートガバナンス)

2025.02.07

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サステナビリティキーワード解説:グリーンウォッシュ

環境・エコブームに便乗して「グリーン」を主張するグリーンウォッシュを見分けよう

SDGsやサステナブルな考え方・行動が世の中に浸透し、消費者の環境意識が高まる中、暮らしのあらゆるところに「環境にやさしい」「認証済み」「自然由来」「エシカル」といううたい文句で環境への配慮を主張した商品やサービスが増えています。特に、食器洗い洗剤や衣料用洗剤、トイレ関連用品など生活必需品になるほど「グリーン」の主張が強調されていることに気がつきます。

ヨーロッパを中心に広がりを見せる「グリーンウォッシュ」とは、英語で「うわべを取り繕うこと・ごまかし=whitewashing」と、「環境にやさしい=Green」を組み合わせた造語で、実際には環境に配慮していない商品なのに、広告やパッケージを媒介として、あたかも環境に配慮した取り組みをしているような誤った印象を与えるアクションを指します。

グリーンウォッシュは、1980年代にアメリカの環境活動家によって提唱されましたが、欧州委員会が2020年に世界の様々な企業サイトを横断的にスクリーニングした結果、企業サイトの約42%で「自社の取り組みはグリーンである」との主張が誇張されすぎている、虚偽である、欺瞞的であることが発表されたことも事実です。

最近では、英国の公正取引委員会が、消費者保護法の観点から、実店舗とオンラインサイトで「グリーン」とアピールする製品や企業の主張を精査。明確な根拠を示さずに、環境に配慮しているような包装や商品は、明瞭性に欠けた曖昧な環境表示とみなし、リサイクル可能と表示するものも消費者が誤解する表現かどうかを調査すると報道されています。

ただ、たとえば衣料品の場合など、素材は「天然」やリサイクルを使っているのに、製造・流通の過程でCO2を大量に排出するなど、実は環境に大きな負荷をかけている事例もあり、グリーンとグリーンウォッシュの線引きが難しいケースも多くあります。

また、その商品やサービス、企業メッセージのどの部分が、どのように「グリーン」なのかという定義や数字、事実などを明らかにしないケースも多く、悪質なものでは存在しない第三者機関をねつ造したり、勝手にお墨付きを与えるなど、偽ったラベルや広告を掲げる事例もあります。

私たちの健康に関わる食品や飲料、毎日使う日常雑貨品など消費財のグリーンウォッシュは、公的機関の監視はもちろん、直接使用する生活者の判断も重要です。環境への配慮をうたう商品やサービスをきちんと見極めて、ただブランドイメージを向上させたい商品や、時流に乗りたいだけの商品を手に取らないことが、企業への静かな批判に繋がっていきます。

 

サステナビリティキーワード解説:コーポレートガバナンス

先進国をはじめとする各国が取り組み、国際的に重要度が高まっている企業統治

経済産業省の「コーポレートガバナンスに関する各種政策について」のホームページには、以下のような記載があります。

「過去30年間近くにわたって、日本企業全体としての「稼ぐ力」や株価指数に代表される日本企業の「企業価値」は、諸外国に比べて低迷していました。そのような状況から脱却し、人材の有効活用を通じたイノベーションによる付加価値の創出や生産性の向上を通じて、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、その果実が従業員や消費者等にも広く均霑(きんてん)され、投資や消費拡大による経済成長につながるという好循環を実現するため、経済産業省産業組織課ではあるべきコーポレートガバナンスの在り方について検討するための研究会や委託調査を実施し、その成果を各種ガイドラインにまとめるとともに、各種ガイドラインや出版物、イベント等を通じて、広く取組を周知しています」

いわゆる失われた30年を取り戻すために、日本のコーポレートガバナンスの進展が望まれていますが、コーポレートガバナンス(Corporate Governance)=企業統治とは、「企業は資本を投下している株主のもので、経営者のものではない」という考え方に立って、企業経営を監視する仕組みのことです。

具体的には、企業不祥事の防止と長期的な企業価値向上を目的に、取締役と執行役の分離、社外取締役や社外監査役など社外の管理者による経営の監視、社内ルールの明確化などが挙げられます。

会社側と株主、その他の利害関係者(ステークホルダー)との関係や、会社の経営監視がうまくいっている状態を「コーポレートガバナンスが保たれている」と表現し、株主が安心して投資できる、企業価値が高くなる、企業側の不正を防止できる、財務強化などのメリットがもたらされます。また、コーポレートガバナンスを強化することで、消費者の購買行動や採用活動にも良い影響を与えます。

日本では金融庁と東京証券取引所が、ガイドラインとなる「コーポレートガバナンス・コード」を公表していて、上場会社にとって企業統治は必要不可欠の取り組みとなっています。

「コーポレートガバナンス・コード」は、企業が顧客や株主、社員や地域社会などの立場を踏まえた上で、透明で公正、かつ迅速で果断な意思決定を行うための原則や指針を表したもの。

会社側は企業価値の向上に努め、株主に対して最大限の利益の還元を目的とすべきという考え方が根本にあるコーポレートガバナンス。企業の情報開示への関心が高まっている今、コーポレートガバナンスの整備を通じた企業価値向上が求められています。

 

Fumiaki Tanabe

CEO

企業の価値を最大化する戦略に特化したブランディングとマーケティングのエキスパート。インフラ関連企業や大手製造メーカーから中小企業に至るまで、幅広い業界でのWebブランディング実績をもつ。

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