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サステナビリティ

サステナビリティとは(ESG投資/ESG指数・ダボス会議)

2025.02.05

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サステナビリティキーワード解説:ESG投資/ESG指数

企業が社会に対し負う責任=ESG評価の高い企業は投資に値し、さらに成長していく

ESG(Environment=環境・Social=社会・Governance=ガバナンス)については前項で説明していますが、「ESG投資」は、環境(気候変動、水資源、生物多様性、CO2削減、再生可能エネルギーの使用など)や社会(ダイバーシティの推進、働き方の改善、地域社会への貢献など)に配慮して事業を行いながら、さらに適切な情報開示や資本効率への意識など、ガバナンス(企業統治)がなされている企業を重視、あるいは選別して行う投資のことです。

現代社会が抱えている環境問題や労働問題、人権問題、企業統治上の問題など、様々な課題をクリアしていく企業がサステナビリティ(持続可能性)な存在であるという認識の上で、該当企業に中長期的に投資することでリターンを期待することが、欧米を中心に広く浸透し、投資残高も年々拡張する傾向にあります。

経済産業省のホームページ内の「ESG投資」を参考にすると、ESG投資が注目を集めたきっかけが、2006年に国連で提唱された「PRI(国連責任投資原則)」で、ESGの視点を取り入れることを機関投資家の投資原則とすることなどが含まれています。

【PRIの6つの原則】

  1. 投資分析と意思決定のプロセスにESGの視点を組み入れる
  2. 株式の所有方針と所有慣習にESGの視点を組み入れる
  3. 投資対象に対し、ESGに関する情報開示を求める
  4. 資産運用業界において本原則が広まるよう、働きかけを行う
  5. 本原則の実施効果を高めるために協働する
  6. 本原則に関する活動状況や進捗状況を報告する

ESG投資を重視する流れが世界的に広がってくるにつれて、大口の機関投資家に投資対象として選んでもらうために、企業はESGを意識した事業に取り組み、その状況を積極的に情報公開するといった動きが加速してきています。

そうしたESG投資を行う際に重視されるのが「ESG指数」。企業が公開する非財務情報などをもとに、指数会社が企業のESGへの取り組みを評価して組み入れ銘柄を決める指数のことで、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2021年度末時点で8つのESG指数を選定しています。

【GPIFが採用するESG指数一覧】

総合型指数

  • 「FTSE Blossom Japan Index」(国内株)
  • 「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」(国内株)
  • 「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」(国内株)
  • 「MSCI ACWI ESGユニバーサル指数」(外国株)

テーマ指数

  • 「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数シリーズ」(国内株・外国株)
  • 「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」(国内株)
  • 「Morningstar ジェンダー・ダイバーシティ指数」(外国株)

現在では、多くの企業が上記のESG指数の構成銘柄に選定されると、投資家たちにアピールするためにプレスリリースを発表するほど注目が集まるESG指数。投資家は企業価値向上が期待できる企業を見極めることが投資リスクの軽減に繋がり、ESG指数を考慮した運用は、今後ますます重要度が高まっていきます。

サステナビリティキーワード解説:ダボス会議

世界的に強い影響力を持つ人々が多数参加している通称“ダボス会議”

ダボス会議とは、スイス・ジュネーブに本部を置く非営利財団の世界経済フォーラム(WEF)が毎年1月にスイス東部の保養地・ダボスで開催する年次総会のこと。第1回ダボス会議はWEFが設立された1971年に開催され、31か国450人が参加しました。2023年は、元首・政府代表を含む、130か国から約2700人のリーダーが参加したといわれています。

ダボス会議の主たる目的は、世界各国から多彩な業界のトップを招いて、世界経済や環境面での課題の解決に向けて議論を交わすことで、出席する人の顔ぶれは毎年変わりますが、政治家はもとより、グローバル企業社長などの実業家、経済学者、大学教授、俳優・タレントなども参加しています。

2023年のダボス会議には、日本から河野太郎デジタル大臣が出席し、4つのセッションに登壇。「信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust、DFFT)」を実装するための新たな国際的な枠組みの創設を提唱し、グローバル企業経営者や国際非政府組織(NGO)代表などに参画を訴えました。

また、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさんもダボスを訪れ、同会議に参加している各国指導者や大企業幹部が、「自分たちや企業の強欲、目先の経済的な利益を、一般大衆や地球(環境)より優先させている」と批判。会議には出席せず、気候変動問題に真剣に向き合うよう訴えたのは大きなニュースになりました。

2015年の国連サミットで採択された国際目標「SDGs」が世界的に高く注目されるようになったのもダボス会議で、「Responsive and Responsible Leadership」をテーマに開催された2017年のダボス会議では、主催の世界経済フォーラムが、世界の財界首脳らによる調査結果を報告。「企業が国連のSDGsを達成することで、2030年までに少なくとも12兆ドルの経済価値がもたらされ、最大3億8000万人の雇用が創出される可能性がある」という内容は多大なインパクトを与え、企業がSDGsに積極的に取り組むメリットを明確にしました。

また、ダボス会議では、世界で最も持続可能な取り組みを行う企業をランキング形式で紹介する「Global100(グローバル100)」も毎回注目を集め、2023年はアメリカの製造業「シュニッツァー・スチール・インダストリーズ」が1位を獲得。日本企業は100位内に、コニカミノルタ、エーザイ、リコー、積水化学工業の4社がランクイン。積水化学工業は6年連続のランクインとなっています。 気候変動対策やエネルギー安全保障、食料危機など、地球規模の課題について意見を交わすダボス会議は年々重要度を増しています。

 

Fumiaki Tanabe

CEO

企業の価値を最大化する戦略に特化したブランディングとマーケティングのエキスパート。インフラ関連企業や大手製造メーカーから中小企業に至るまで、幅広い業界でのWebブランディング実績をもつ。

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