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サステナビリティ
サステナビリティとは(サステナビリティ融資・パーパス経営)
2025.03.07
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サステナビリティキーワード解説:サステナビリティ融資

借り手(企業)、貸し手(金融機関)の双方にメリットがあるサステナビリティ・リンク・ローン
サステナビリティ・リンク・ローン(以下、SLL)は、借り手(企業)のサステナビリティ・パフォーマンスの向上を促すために、企業が定めたESG戦略と整合した取組目標を設定し、その目標の達成状況に応じて金利などが変動(優遇)する融資です。
SLLは、環境・社会面における企業の持続可能な経済活動の促進が目的で、貸し手(銀行などの金融機関)は国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に則った設計を行います。日本では、2020年3月に、環境省が「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」を策定し、取り組みが拡大しています。
SLLの借り手のメリット
1. サステナビリティ経営の高度化
SLLを利用するための準備は、企業のサステナビリティ戦略立案・遂行やリスクマネジメント、ガバナンスの体制整備に繋がる可能性があります。
2. 企業イメージの向上
SLLで資金調達することで、環境・社会面で持続可能な経済活動の推進に積極的であるという姿勢を内外にアピールでき、他の企業や投資家、リクルートなどに好影響を与えます。
3. 貸し出し条件などによるインセンティブ
SLLは、目標達成により金利などの融資条件が変動するので、企業が設定した積極的な目標に取り組むことで、金融機関などから比較的好条件で資金を調達できる可能性があります。
SLLの貸し手のメリット
1. 社会的な支持の獲得
SLLで企業に融資を行うことは、環境・社会面で持続可能な経済活動へ積極的に資金を供給し、それを支援していることをアピールすることができます。
2. 環境問題への貢献
貸し手は、SLLとして融資を行うことで、融資による利益を得ながら、環境問題へ取り組む企業への支援になり、間接的に持続可能な社会の実現に貢献できます。
出典:環境庁「グリーンファイナンスポータル」
貸し手は、SLLとして融資を行うことで、融資による利益を得ながら、環境問題へ取り組む企業への支援になり、間接的に持続可能な社会の実現に貢献できます。
出典:環境庁「グリーンファイナンスポータル」https://greenfinanceportal.env.go.jp/loan/sll_overview/about.html
借り手の実例では、JR九州グループが2022年9月に総額約200億円(各金融機関との相対契約方式)をSLLで調達。同グループのマテリアリティ(重要課題)である「脱炭素社会の実現」のため、2050年CO2排出量実質ゼロを目指すとともに、鉄道事業を中心としたシームレスな移動の提供・利用促進により、社会全体の脱炭素化に貢献していくESG 経営への取り組みを発信しています。
サステナビリティキーワード解説:パーパス経営

パーパス(purpose)経営に取り組むためのホップ・ステップ・ジャンプ
ビジネスフィールドで使われるパーパス(purpose)は、「企業の存在意義」や「企業の想いや志(こころざし)」を意味し、企業が存在・存続することで、社会になにがもたらされるのか、社会にとってその企業はどんな価値があるのかを指します。
パーパス経営とは、一企業が社会に対してどのような役割や存在意義を提示して、どのように貢献するのかという「パーパス」を掲げて企業経営を行っていくことです。パーパス経営という考え方が広く知られるようになったのは、SDGsやサステナビリティ経営が注目されるようになってからです。
アウトドアブランドのパタゴニアは、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というパーパスを掲げて、全売上の1%を寄付し、地球に負荷をかけない原材料を使用する取り組みを実践しています。このパーパスはファッションやアウトドアを愛する人たちの共感を呼び、パタゴニアは環境意識の高いブランドとして高い評価を得ています。
パタゴニアのようなパーパス経営に取り組むために必要なステップ
1. 企業を取り巻く状況を分析する
一企業のパーパスを考えるとき、まず不可欠なのは、自社の立ち位置(ポジショニング)を確認すること。その企業がどのような環境や状況の中にあるのかを客観的に分析することから始まります。その際、企業活動を支えている顧客や投資家、従業員を分析し、そのステークホルダーからの評価を把握。さらに、自社の商品やサービス、ブランドメッセージなどを整理することも欠かせません。
2. パーパスを言語化する
自社の立ち位置(ポジショニング)を分析・確認したら、パーパスとして掲げる言葉を選定します。パナソニックグループは、2021年10月に経営基本方針を改定し、グループ共通の存在意義(パーパス)として、「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を目指すことを明示。さらに2022年4月にそのパーパスを表現する新スローガン「幸せの、チカラに。」を発表しています。
企業には、ビジョンやミッションなどが既に策定されていることが多いですが、「ビジョン=Where=企業が到達すべき地点」「ミッション=What=到達すべき地点に向かって実現すべき使命」そして「パーパス=Why=なぜ企業が社会に存在しているかを問い、企業経営の意義や目的を示す」と考えると整理ができます。
3. 業務内容でパーパスを意識できる工夫を創る
パーパスは企業経営のWhayの要素が色濃いので、日々の業務の中ではなかなか意識しづらいものです。企業の中で、マネジメントポリシーなどとパーパスを結びつけると、一貫性を意識した経営方針が見えやすくなり、それに伴った行動指針を策定・運営することで、社員のエンゲージメントも向上します。