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サステナビリティ
サステナビリティとは(グリーン経済)
2025.03.11
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サステナビリティキーワード解説:グリーン経済

国家間や世代間の貧富の格差是正にもスポットが当てられている「グリーン経済」
グリーン経済(Green Economy)とは、経済成長を実現しながら、私たちの暮らしを支えている自然資源と自然環境の恵みを受け続けられる、持続可能で環境に優しい経済を指します。
国際連合総会の補助機関で、環境分野を対象に、国連活動・国際協力活動を行っている国連環境計画(UNEP)が2011年11月に公表した報告書では、環境問題に伴うリスクと生態系の損失を軽減しながら、人間の生活の質を改善し、社会の不平等を解消するための経済のあり方を「グリーン経済」と定義しています。
グリーン成長は、資源制約によって投資効率が悪化する要因や、生物多様性の損失などの自然界の不均衡が不可逆の悪影響を及ぼす要因となるリスクを低下させると同時に、世界が直面している気候変動やエネルギーの安定確保などの問題にリンクする、国家間や世代間での貧富の格差を是正することにも焦点が当てられています。
日本政府は2020年に「グリーン成長戦略」を発表しましたが、2030年代半ばまでに乗用車は100%電動車となることが示され、2050年には、自動車の生産・利用・廃棄を通じたサイクル全体で、二酸化炭素の排出をゼロにすることを目指しています。
グリーン成長戦略ではさらに、エネルギー産業だけでなく、食糧・農林水産業、家庭、オフィスなど、広範囲に14の分野を対象に高い目標を定めていますが、中でも「燃料と蓄電の技術開発」は急ピッチで進められ、その先には、充電施設などインフラ整備や電気自動車への買い替え促進なども待ち受けています。
特に注目したいのは、グリーン成長のキーテクノロジーとされる「水素」で、水素発電の発電コストを火力発電以下に減らすことを目標に、水素をクリーンかつ安価に製造する設備に取り組み、グリーン成長戦略に記された2050年には2,000万トン程度の供給量を目指しています。
エネルギー関連では、すでにヨーロッパで本格的な取り組みがスタートしている「MaaS(Mobility as a Service)=マース」システムの普及も鍵を握っていて、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関を、ITを用いてシームレスに結びつけ、ライドシェアやシェアサイクルなど、利用者が効率良く便利に使えることが、地域公共交通の充実に繋がると言われています。
また、物流や輸送業界では、二酸化炭素削減に取り組みながら移動や輸送量減少につながることなく、ドライバー不足など社会的課題を同時に解決するという目標があります。今後さらにグリーン成長戦略の実行に向けて、多くの企業が動き出すのは間違いありません。
<TOPICS>「石油が儲からない資源になる日」
脱炭素の進展で中長期的に需要減が見込まれる石油投資に、投資家たちは及び腰
「人類にとって厄介なこと。それは、石油が儲からない資源になり始めていること」で始まるTwitterのツイートが話題になっています。
1970年代、小学校の社会の授業では「原油の可採年数は約30年」と教えられていて、1999年のノストラダムスの大予言とともに、当時の子供たちは将来を不安に感じたものです。
石油はその後、世界的に新規油田が発見されたり、技術革新により採掘不可能とされていた油田から石油が採れたりして、埋蔵量の予測が上振れし、原油価格の上昇などによる採算性の向上などもあり、最近の可採年数は50年以上との試算もあります。
ツイートでは、「石油が利用され始めた頃は、石油が噴水のように噴き出していて、採掘に1のエネルギーを投じたらその200倍のエネルギーが得られたが、現在は10倍を切り始めている様子」と続きます。
石油などの化石燃料の資源量には限界があるという「Peak Oil(ピークオイル)」という考え方は、アメリカの地球物理学者M・キング・ハバード氏が提唱したもので、21世紀の中ごろまでに世界全体の石油生産がピークを迎え、その後は減衰していくという見通しを示していましたが、現在では、多くの研究者や機関が石油生産のピーク到来の予測を後ろ倒しにしています。
石油関連では、経済的に掘削が困難とされていた地下2,000メートルより深くに位置するシェール層からの石油や天然ガス(シェールガス)の抽出が可能になった「シェール革命」が騒がれましたが、ツイートによると、「シェール革命とひと頃騒がれたが、シェールオイルは水などを地下に注入するためのエネルギーが膨大で、石油エネルギーは10倍程度しか得られないため、投資家にとっては、割の合わない商品になりつつある」とつぶやきます。
さらに、「石油を採り続けるには、古くなった設備の更新が不可欠だが、お金を投じても10倍程度のエネルギーしか得られないのなら儲からず、シェールオイルに関しては、油田が放棄され始めているという」と続きます。
事実、日本経済新聞は、2023年3月6日付けで、「石油投資、及び腰の拡大 脱炭素が「エネ貧困」回避の要」との記事を配信。ロシアによるウクライナ侵攻で、エネルギー危機に伴う足元の需要増を受けて投資を増やしつつあるものの、脱炭素の進展で中長期的には需要減が見込まれ、石油開発会社による化石燃料の開発投資の軸足が定まらず、かつてのような大規模投資には及び腰だ」と報じています。 まだまだ石油頼みの社会ですが、自然エネルギーの採算性が徐々に向上していることも事実。投資家が自然エネルギーへの投資に目を向けるのも当然の時代になっていきます。